計測器のJCSS校正の頻度はどのくらいでしょうか

一番大切なのがトレーサビリティーです

これは法律に制定されてからまた10年は経っていないではと思われますが、製造業の生産工程に関して大幅な法律の改定がありました。それは生産工程で使われるあらゆる種類の計測器について適用されます。生産工程で使われる様々な計測器については、然るべき認定業者からJCSS校正というものを受けなければならなくなったからです。JCSS校正の根幹をなすのがトレーサビリティーです。その考え方はスイスのジュネーブに本部があるISO国際標準化機構が提唱する品質管理の手法からやって来ています。ISO国際標準化機構が提唱する品質管理では一番大切なのがトレーサビリティーです。トレーサビリティーとは製品が製造された時点にさかのぼって、その品質が確認できるようなシステムです。

一度計測器のキャリブレーションを受けると

ところが日本ではその法律の整備がまだ十分ではなくて、JCSSの頻度については特段の規定がありません。JCSSの検査を受けてそれに合格すれば標章の入った証明書をもらうことができます。その証明書を熟読すればすぐわかることですが、そこにはキャリブレーションの頻度については全く記載されていません。それでは一度計測器のキャリブレーションを受けるとそれは無限に使えるのかといえば答えは違います。ちなみに国家が保有する標準器でさえ定期的にチェックをすることが法律で定められています。ですからJCSS校正の頻度が自由であるのかと言えばそうではありません。今のところ無条件で使えるというだけのことです。そのうちに例えば1年とか2年とか期限を切ってJCSSキャリブレーションをしなければならないように法律改正がなされるのではないかと考えられます。そうなった時に慌てないように。今からしっかりとその準備をしておかなければなりません。

品質管理の中心がトレーサビリティーです

その昔の品質管理といえば地球の裏側にあるアメリカで開発されたTQCトータルクオリティコントロールシステムが主体でした。ですがTQCトータルクオリティシステムが提唱するQCサークル活動には決定的な欠陥がありました。日本ではQCサークル活動をやるのに特別に賃金を支給されることがなかったからです。これが日本でQCサークル活動が衰退した原因であると考えられます。西暦2000年を境にしてアメリカから導入されたTQCトータルクオリティコントロールシステムは、スイスのジュネーブに本部があるISO国際標準化機構が提唱する品質管理システムに移行されていきました。ISO国際標準化機構が提唱する品質管理の中心がトレーサビリティーです。