JCSS校正が法律で要求される計測器の種類とは

当時のゼネコンはこぞってデミング賞を目指して

品質管理といえば私たちの頭に一番最初に浮かんでくるのがアメリカで開発されたTQCトータルクオリティコントロールという品質管理システムではないでしょうか。実際今から50年ほど前は、日本全国でTQCブームが発生していました。日本の大手企業はこぞってTQCの最高峰であるデミング賞を目指していました。デミング賞はアメリカにある本部により認証されることにより授与される貴重な賞です。日本の大手企業はこぞってデミング賞を目指しましたが、最終的にデミング賞を受賞できたのは、わずか日本全国で12社余りでした。建設関係ではわずか2社だけがデミング賞を受賞しています。ですが当時のゼネコンはこぞってデミング賞を目指して、日夜QCサークル活動に明け暮れていたのです。

QCサークル活動に比べれば楽なものです

それが西暦2000年近くになると品質管理の世界も急激に変わってきました。スイスのジュネーブに本部のあるISO国際標準化機構の提唱する新しい形の品質管理システムに移行されることになりました。なぜTQCトータルクオリティコントロールシステムは衰退して、その代わりにISO国際標準化機構が提唱する品質管理システムが伸びてきたのでしょうか。それには大きな理由が隠されていました。一つにはQCサークル活動の煩わしさがあります。QCサークル活動では仕事以外に膨大な時間を取られます。ですがそのぶんに対する支払いが十分ではなかったということです。これがQCサークル活動が崩壊した原因であると考えます。これに対してISO国際標準化機構が提唱する品質管理システムは、トレーサビリティーを重視するだけの品質管理システムです。書類を整理する大変さは伴いますがそれを除けばQCサークル活動に比べれば楽なものです。それでISO国際標準化機構が提唱する品質管理システムに取って代わられたということです。

それらを管理する独立法人まで作られています

日本にはJCSS校正というのがあります。生産工程で使われるような、あらゆる種類の計測器については、トレーサビリティーの考えに基づいて、国家が保有する標準器にまで遡ってその精度とか正確さをチェックしなければなりません。つまりJCSS校正も、ISO国際標準化機構が提唱する品質管理システムも、トレーサビリティーの一点で、しっかりと結びついていたということになります。JCSS校正が法律で要求される計測器の種類は実に多彩です。製造工程で使われるような計測器は、およそ、ありとあらゆる種類のものが対象となっています。それだけ多くの計測器に対する国家の標準器を整備するだけでも大変な作業となります。そのためにそれらを管理する独立法人まで作られています。