生産工程で使われる計測器のJCSS校正の費用について

品質管理自体も地球の裏側にあるアメリカから輸入する

戦後の奇跡的で驚異的な経済復興から現在に至るまで、日本がここまで経済的に強くなれたのには理由があります。それは一言で言えば卓越したものづくりの技術と高度な品質管理のなせるわざです。もともと日本のお家芸は原材料を輸入して、それを製品に加工して輸出するという加工貿易です。これと同じような流れを受けて、品質管理自体も、地球の裏側にあるアメリカから輸入するという有様でした。今から50年前くらいの話なのですが、当時アメリカではTQCトータルクオリティコントロールシステムという新しい形の品質管理が盛んになされていました。その大きな波が太平洋を越えて日本にまで押し寄せてきたということです。当時の日本の大手の企業はこぞってTQCトータルクオリティコントロールシステムを導入しました。それだけ品質を向上させるだけの力があったということではないでしょうか。

製造された時点にまで遡ってその品質を確認

西暦2000年に近づくにつれてその状況は変わって行きました。QCサークル活動で膨大な時間を取られるのを嫌った労働者たちの反発を受けることになりました。その原因ははっきりとしています。当時の企業はQCサークル活動自体に対しては十分な支払いをしなかったからです。企業の正社員にしろ現場で働く作業員にしろ、十分な賃金の支払いなしにQCサークル活動を押し付けられたので、それで現場の反発を受けたのではないでしょうか。QCサークル活動に比べて管理の楽な、スイスのジュネーブに本部のあるISO国際標準化機構が提唱する品質管理システムが導入されました。ISO国際標準化機構が提唱する品質管理システムのベースはトレーサビリティーです。トレーサビリティーとは一体どのようなものなのでしょうか。トレーサビリティーは、例えば製品が製造された時点にまで遡ってその品質を確認できるような、優れたシステムだったのです。QCサークル活動に比べると、書類の整理を除いては楽なものでした。

比較的軽めの重さを計測する計測器であれば

日本では生産工程で使われるあらゆる種類の計測器については法律でJCSS認定を受けたものでなければなりません。JCSS認定に合格すると、標章の入った校正証明書を発行してくれます。JCSSで登録された校正事業者のみが表彰の入った校正証明書を発行できるということになります。生産工程で使われるありとあらゆる種類の計測器について、国家が保有している標準器と照らし合わせてその正確性が確認されなければなりません。この校正にかかる費用は様々です。温度を計測する計器や比較的軽めの重さを計測する計器であれば費用はそれだけ安上がりで済みます。例えば鉄筋棒の引張強度試験に使われるような大型の計測器になれば、その費用は高額となってしまいます。